みんなちがってみんないい 〜でも、戦いしないよ

ある日、1人の男子が新しいあそびをひらめきました。おはじきを使い、積み木で作った城を壊すというゲーム。「うわー、面白そう!」「おれもやりたい!武田軍をつくるんだ!」戦いや歴史が好きな男子たちは、すさまじい食いつきを見せます。各々がこだわりの城を完成させ、いざ決戦!渾身の力を込め、おはじきをはじく、はじく、はじく。

その光景を、傍らでじーっと見ている1年生の女子がいました。あそびの中に入りたそうではあるものの、男子たちのあまりの気迫に押されぎみ…。「入ったら?」と声を掛けても、首をぶんぶんと横に振ります。しかし、そこから離れる気配は一向にありません。

そこで、プレーリーダーが彼女の側に行き、プロのカメラマンさながらに城の写真を撮ってみせます。それを見た彼女は、一言「やりたい!」。さっきまでの緊張感はどこ吹く風、カメラを片手に、颯爽と戦場に足を踏み入れます。

写真を撮り終えると、今度はその場に座りこみ、せっせと自らの城を作り始めました。「でも、たたかいはしないよ。」堂々の休戦宣言に、呆気に取られる男子たち。しかし、いつの間にか男子たちは、彼女の城を、そして彼女自身を守るように体の向きを変えながら、あそびを再開していました。

何かに挑戦したい気持ちはあっても、それを実際に表現することは、大人にとっても勇気がいることだと思います。目の前のあそびに対して、渾身の「やりたい!」を表現する子どもたち。その気持ちは「入れて!」という言葉にだけではなく、あそびを見つめる熱っぽい視線や、時にはちょっかいをかけるといった行動に表れることもあります。

ただ、どれも子どもたちの精一杯のファイティングポーズ。そんな勇気溢れる姿勢は、「みんなちがって、みんないい」ものなのだと、感じずにはいられません。プレーリーダーは、そうした子どもたちの姿をときに見守り、ときにそっと背中を押してあげる、そんな関りをしていきたいと考えています。